ねぎは日本各地で広く栽培され、料理に欠かせない野菜として重宝されています。比較的収益性が高い作物ですが、栽培には多くの労力と技術が必要です。特に病害虫の発生が多く、農薬による防除回数が増えていることが課題です。また、高齢化による担い手不足が深刻で、重労働となる「土あげ」作業が続けられず離農するケースもあります。省力化や機械化の導入が進められていますが、完全な解決には至っていません。今後は労力軽減と病害虫対策の両立が重要です。
ねぎ栽培では、さび病やべと病、アザミウマやネギハモグリバエといった病害虫が多く発生しやすく、防除回数が多くなりがちです。従来は背負い式の動噴などを使用して手作業で薬剤散布を行っていましたが、時間も手間もかかり、作業者の身体的負担も大きくなります。
農業用ドローンを使用することで、広範囲の圃場に対して短時間かつ均一に殺菌剤や殺虫剤を散布することができます。上空からの散布により、葉の裏側や株元まで薬剤が届きやすく、効果的な防除が可能です。天候の合間を縫ったタイミングでも迅速に作業ができるため、防除精度の向上にもつながります。
ねぎの防除作業や収穫前の管理作業には、一定の体力と経験が求められます。しかしながら、農業従事者の高齢化が進む中で、十分な人手を確保することが難しくなってきています。とくに炎天下や湿度の高い時期の作業は、作業者への負担が大きくなります。
農業用ドローンは、ボタン操作ひとつで自動航行しながら薬剤散布を行うことが可能です。一人で操作できるため、これまで数人で行っていた作業を最小限の人数で対応できるようになります。高齢の農家の方でも比較的簡単に操作できる機種も登場しており、人手不足対策として導入が進んでいます。
